「ポストカプセル」折原一著
1985年に開催されたつくば科学万博で、郵政省が「21世紀のあなたに届ける夢の郵便」といううたい文句で受け付けた制度をもとに書かれた短編小説集。
その第1話「再会」。市川大輔は片岡有美と新宿の書店で偶然出会った。
そもそも有美は大輔の会社の取引先の受付嬢。書店での出会いが2人の仲を急速に近づけ、大輔は待ち合わせの場所・日時を記した初めてのラブレターを酒の勢いを借りて投函した。それが15年後に届けられるポストカプセルとは知らずに。
手紙を受け取った有美は驚きはしたが、待ち合わせ場所に行き、大輔を探すが、そこに彼の姿はない。ここから2人の手紙のやりとりが始まり、再び会うことになったのだが、そこで事件が起こってしまった。
(光文社 1700円+税)