「官邸襲撃」高嶋哲夫著

公開日: 更新日:

 主人公は、27歳の女性巡査部長・夏目明日香。2カ月前に誕生した日本初の女性総理大臣・新崎百合子のSPに抜擢され、首相官邸で開かれている米国国務長官と首相との夕食会の任務についた。午前中から飲まず食わずで警護していた明日香は、警備班主任の高見沢に少し休めと声をかけられ、公務から外れて洗面所へ。

 緊張から解かれてほっとしたのも束の間、突然ホールから銃声と悲鳴が鳴り響いた。どうやら何者かに官邸が襲撃され、新崎首相や米国の国務長官らをはじめとして100人以上が人質として拘束されてしまったらしい。明日香は、たまたま洗面所に居合わせたワシントン・ポストの女性記者スーザン・ハザウェイと共に身を隠しつつ、絶体絶命の状況下で人質を無事に救出するための策を試みるのだが……。

 首相官邸がテロ集団に占拠されるという緊急事態に立ち向かう、若き女性警護官を描いたクライシス小説。上司も瀕死の重傷を負い、通信手段も遮断され、日本政府の作戦も米国の介入もうまくいかない状況下、果たして任務を遂行できるのか。大ピンチをすり抜ける主人公の活躍に手に汗を握る。

(PHP研究所 1900円+税)


【連載】ベストセラー読みどころ

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋