「NHK英雄たちの選択 江戸無血開城の深層」磯田道史、NHK「英雄たちの選択」制作班著

公開日: 更新日:

 歴史にはいくつもの重要な岐路がある。そうした岐路を前に史上の英雄たちはなぜその選択をしたのか。それを選んだ動機、背景などと併せて歴史のifを探って評判のTV番組「英雄たちの選択」。本書は江戸無血開城に焦点を当てた放送内容に歴史学者・磯田道史の見解を補足して再構成したものだ。

 本書で取り上げている選択は4つ。

 ①西郷隆盛、大久保利通らのクーデター計画を事前に察知した15代将軍・徳川慶喜の選択。武力鎮圧か、静観か②新政府軍が江戸に迫る中、幕府の代表として対峙する勝海舟の選択。徹底抗戦か、交渉による講和か③慶喜が蟄居して、江戸城の大奥に取り残された篤姫と和宮の選択。京へ帰るか、新政府軍と一戦交えるか、城にとどまり和平を目指すか④西南戦争を前にした西郷隆盛の選択。交渉か、挙兵か、不動か。

 新資料を駆使し、教科書からではうかがえない、維新前後のダイナミックな歴史の動きを堪能できる。「西郷どん」のサブテキストとしても便利。

(NHK出版 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  3. 8

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  4. 9

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  5. 10

    中山美穂さんが「愛し愛された」理由…和田アキ子、田原俊彦、芸能リポーターら数々証言