「歌え、汝龍たりし日々を」岩井三四二著

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 秦の都、咸陽の宮殿で郎官を務めている李斯の元に、官女らしき女が近づいて「これを王様にお伝えくださいまし」と竹簡を押しつけた。そこには信じられない話が記されていた。李斯は同郷の楚人、昌文君に相談して、真偽を確かめることにした。昌平君の近臣、昌文君が探り出した噂によると、太后の寝殿に出入りしている宦官に、実は宦官ではない男がいるという。竹簡には、太后はその偽宦官の子を2人も産んだと書かれていた。その偽宦官を太后の元に送り込んだのは、若い王に代わって仕切っている丞相の呂不韋だ。

 戦国時代を終わらせて初の帝国を築いた秦と、その遺構を引き継いだ漢の時代に蠢いた男たちを描く中国歴史小説。

(角川春樹事務所 1600円+税)

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