「最高の日本酒」大竹聡著

公開日: 更新日:

 酒飲みライターの著者が「がぶ飲み」企画に疲れていた頃、そば屋でうまい酒に出合った。店の主人が教えてくれた「地酒の小山酒店」の店主は酒蔵と協力して新たな日本酒の世界を切り開いている。小山氏推奨のひとつが栃木の「仙禽」。11代目蔵元の薄井一樹氏が実家に戻ったとき、普通酒を大量生産していた実家は経営難にあえいでいた。

 ブドウ栽培からワインの生産まで一貫して行うワインの醸造元をドメーヌというが、薄井氏は「㈱せんきん」のドメーヌ化をめざす。

 米を地元で取れる亀ノ尾、雄町、山田錦に限定。仕込み水と同じ水脈の田で栽培された米で酒を造ることにこだわった。酒に関わる熱いドラマがいっぱい。

 左利きでない人にも読んでほしい一冊。

(双葉社 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋