「歌舞伎町ゲノム」誉田哲也著

公開日: 更新日:

 法では裁けない極悪非道の者たちを始末する伝説の殺し屋集団〈歌舞伎町セブン〉シリーズの最新作。セブンは暴力団組長、歌舞伎町の老舗居酒屋の店長、ゴールデン街のバーのマスター、元警察官に現役の警察官というバラエティー豊かな人物の集まりだ。

 前回の事件で仲間の上岡を失ってから2週間。セブンの暗殺実行部隊のジロウは、たまたまヤクザに絡まれている青年を助ける。聞くと彼の婚約者が大学ラグビー部のOBに集団レイプされ、それを悲観して自殺したという。警察に訴えるもなぜか動かない。

 これはセブンの仕事と思ったジロウだが、7人揃わなければ動けないのが原則。そこで死体処理のプロ「掃除屋のシンちゃん」を新メンバーに引き込み、セブンが動き出す――。

 始動したセブンは、外国人専門に暴行を加える半グレ集団、変態のエリートサラリーマンといった依頼されたターゲットを次々と始末していく。現代の「必殺仕事人」が存分に暴れ回るが、謎の犯罪組織、新世界秩序(NWO)との対決も暗示され、次回作も楽しみ。

(中央公論新社 1600円+税)

【連載】ベストセラー読みどころ

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  3. 8

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  4. 9

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  5. 10

    中山美穂さんが「愛し愛された」理由…和田アキ子、田原俊彦、芸能リポーターら数々証言