「帰還」堂場瞬一著

公開日: 更新日:

 東日新聞四日市支局の記者、藤岡裕己が撮影に行った先で溺死した。葬儀に出るために同期の3人が四日市に向かったが、彼らは藤岡の死に釈然としないものを感じた。以前、水害の取材で流されそうになって水に恐怖感をもっていた藤岡が、危険な水路の撮影に行くだろうか。そもそも、社会部から異動してずっと総務局勤務だったのに、突然、かつていた四日市支局に異動の希望を出したのも解せない。

 25年前に四日市支局の園田という記者が自殺したことがあったが、何か関係があるのか。通夜には珍しい男の姿があった。衆院選で当選して、1期で辞めた猪熊一郎だった。

 事故死とされた新聞記者の死の真実を探るサスペンス小説。

(文藝春秋 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  2. 2

    「備蓄米ブーム」が完全終了…“進次郎効果”も消滅で、店頭では大量の在庫のお寒い現状

  3. 3

    小芝風花&森川葵はナゼ外れた? 来秋朝ドラ「ばけばけ」ヒロインを髙石あかりが射止めた舞台裏

  4. 4

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  5. 5

    参政党のあきれるデタラメのゴマカシ連発…本名公表のさや氏も改憲草案ではアウトだった

  1. 6

    阿部巨人が今オフFA補強で狙うは…“複数年蹴った”中日・柳裕也と、あのオンカジ選手

  2. 7

    さや氏の過去と素顔が次々と…音楽家の夫、同志の女優、参政党シンボルの“裏の顔”

  3. 8

    参政党さや氏にドロドロ略奪婚報道の洗礼…同じく芸能界出身の三原じゅん子議員と“お騒がせ”な共通点が

  4. 9

    ドジャース大谷翔平「絶対的な発言力」でMLB球宴どころかオリンピックまで変える勢い

  5. 10

    自民党を待ち受ける大混乱…石破首相は“針のムシロ”のはずが、SNSでは〈#やめるな〉が急拡大