「スワロウテイルの消失点」川瀬七緒著

公開日: 更新日:

 物語は、杉並区下井草で発見された腐乱死体の司法解剖シーンから始まる。解剖医が遺体にメスを入れる現場に立ち会ったのは、法医昆虫学者の赤堀涼子、警視庁の岩楯刑事とその相棒の深水巡査部長、高井戸署署長、鑑識課長ら。

 死因検証の最中に、死体から次々と大量のウジが孵化し続けるという壮絶な状況に、赤堀以外のメンバー全員がぎょっとしているなか、突如、お互いの体に発疹や出血が起きていることに気づき、何らかの感染症なのではないかとパニックが起きる。

 発疹のみならず強烈なかゆみに襲われた立会人たちは、念のため隔離されることになったが、赤堀はその発疹の原因に思い当たることがあった。仮説をもとに対処法を編み出した赤堀は、この発疹の原因から被害者の事件解明の糸口までをたどっていくのだが……。

 死体に湧く虫の状況とその生態系から犯行の状況や死後の経過の様子までを割り出す「法医昆虫学者」の赤堀涼子が活躍する、法医昆虫学捜査官シリーズの最新作。本作でも、赤堀の推理と捜査線上に浮かんだ人物の証言によって、事件の真相にたどり着くまで一気に読ませる。

 (講談社 1500円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    萩本欽一〈34〉私の“運”論 大谷翔平のカネを使い込んだ通訳に「小さな声で『ありがとう』」

  2. 2

    新庄監督の“再就職先”に挙がるまさかの球団 采配に賛否もチームのテコ入れ役にうってつけ

  3. 3

    欧州初の日本人指揮官誕生へ 森保一監督の“再就職先”は「ベルギー1部の日系クラブ」一択か

  4. 4

    中村倫也が「風、薫る」に大貢献…妻・水卜麻美アナとの「ずっと仲良く」「にこやかな」近況

  5. 5

    「恩人だけど、嫌いな人の代表」亡くなった板東英二さんが複雑な感情を抱いたプロデューサーの名前

  1. 6

    神戸への“聖地帰還”めぐり騒然…山口組・司組長「7年ぶりの里帰り」は実現するか

  2. 7

    松本若菜「ジュラシック・ワールド」吹き替え《棒読み》論争再燃…暗雲漂う主演ドラマに新たな逆風

  3. 8

    高市首相のあいさつはコピペ率85%…「広島への思い」石破前首相・愛子内親王とは絶望的格差

  4. 9

    高市官邸「被災地利用PV」が首相の命取りに? 安倍元首相“コロナおこもり動画”の二の舞を自民党が危惧

  5. 10

    日本ハム大ショック! “見限った”上沢直之が天敵に、呼び戻した有原航平が足枷となる皮肉