「がんから始まる生き方」養老孟司、柏木博、中川恵一著

公開日: 更新日:

 患者、医療者それぞれの立場から書かれた、がん指南書。

 2017年、柏木氏は血液のがんである「多発性骨髄腫」で余命4~5年と告知される。担当医の対応に納得できず、友人の養老氏に相談。紹介された東大病院のがん専門医・中川氏にセカンドオピニオンを求め、同院で治療を受けることに。前の病院ではできないと言われた造血幹細胞移植によって寛解に至るまでの治療経過と医療チームとのやりとり、そしてその間に揺れ動いた心の変化を詳述。

 一方の中川氏は、現在のがん治療や検査の実際、医師のあるべき姿などを解説。さらに本書を執筆中に判明した自らの膀胱(ぼうこう)がんについて患者としての体験も率直に告白。養老氏を交えた鼎談(ていだん)も加え、病気との向き合い方、がん患者としての生き方を提示する。

 (NHK出版 900円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カーリング女子フォルティウス快進撃の裏にロコ・ソラーレからの恩恵 ミラノ五輪世界最終予選5連勝

  2. 2

    南原清隆「ヒルナンデス」終了報道で心配される“失業危機”…内村光良との不仲説の真相は?

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  5. 5

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  1. 6

    円満か?反旗か? 巨人オコエ電撃退団の舞台裏

  2. 7

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 8

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 9

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  5. 10

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー