「盲剣楼奇譚」島田荘司著

公開日: 更新日:

 東京大学近くの画廊で、刑事の吉敷竹史は一枚の日本画に見入っていた。それは赤ん坊を背負った美男の剣士で、絵を描いた艶子によると、10歳のときに見た「盲剣さま」を描いたのだという。

 艶子は江戸時代から続く金沢一の芸者置き屋「盲剣楼」の一人娘。終戦直後の昭和20年、無頼の徒に占領された楼に伝説の「盲剣さま」が現れ、一瞬にして5人の男を斬殺した――と。

 翌日、艶子の孫娘が誘拐される。犯人は「盲剣さま」に斬られた一味の生き残りで、斬った者を連れて来るよう命じる。

 吉敷は70年前の「盲剣さま」事件の関係者に会うため、金沢に舞い戻る。

 吉敷竹史シリーズ20年ぶりの新作長編。

(文藝春秋 2100円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?