「オイディプスの刃」赤江瀑著

公開日: 更新日:

 昭和3×年7月23日早朝、山口県の旧家の次男・駿介は、叔母・雪代と泰邦の情事を盗み見る。泰邦は、愛刀家の父・耿平が所有する名刀「次吉」の手入れのために滞在中の研師だった。

 その日、昼寝から目覚めた駿介が、窓から中庭を見下ろすと泰邦が息絶え、そばには次吉を持った弟の剛生が立っていた。剛生が室内に入ると香子が庭に現れ、手にした刀で自らの命を絶つ。剛生が泰邦の命を奪ったと知った耿平は、妻と泰邦が心中したと警察に通報したのち、割腹自殺する。12年後、京都で夜の世界に生きる駿介に、腹違いの兄・明彦からエアメールが届く。手紙には出奔して行方が分からない剛生らしき男とフランスで会ったと記されていた。

 7年前亡くなった作家が残した刀剣ミステリー。

(河出書房新社 980円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 4

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 5

    西武は“緩い”から強い? 相内3度目「対外試合禁止」の裏側

  1. 6

    「1食228円」に国民激怒!自民・森山幹事長が言い放った一律2万円バラマキの“トンデモ根拠”

  2. 7

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 8

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  4. 9

    STARTO社の新社長に名前があがった「元フジテレビ専務」の評判…一方で「キムタク社長」待望論も

  5. 10

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは