「チェリー」ニコ・ウォーカー著 黒原敏行訳

公開日: 更新日:

 恋人のエミリーがカナダの大学に行きたいから、今の大学をやめたいと言い出した。「俺」も中退しようと思ったが、薬の飲み過ぎで単位が足りず、落第するはめに。軍隊に入って新兵(チェリー)になったが、歩兵中隊はめちゃくちゃ人を殺したがってるヤツばかり。イラクに派遣されて、特殊部隊がたった数分でイスラム教徒を40人殺したことを知った。

 そのとき、自分たちは何か意味のあることをしに来ているのではない、と悟った。退役した後、ドラッグにはまり、ヤク切れになりそうだったので、ニット帽を目深にかぶって銀行に行った。店長は俺たちが何をしに来たのか気づいていた。

 服役中の銀行強盗が書いた犯罪小説。トム・ホランド主演で映画化決定。

(文藝春秋 1950円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋