「処女の道程」酒井順子著

公開日: 更新日:

 かつては、若い女性は結婚するまでは処女でいるべきだ、という感覚があった。「処女」は国語辞典では「性的経験をまだ持たない」とあるが、漢和辞典では、セックス経験には触れず「結婚せず、まだ家にいる」のが処女だとある。「処」は「居る」という意味で、処女の本来の意味は「実家にいる女」だった。女性にとって「結婚すること」「実家を出ること」「初めて異性と性交渉を持つこと」は同義だったのだ。

 著者は29歳まで実家にいて、独身だったが、セックス経験という意味では処女ではなかった。それなのに実家にいるという処女っぽい行動をしていることへの違和感から実家を出たような気がする、という。

「処女」について酒井順子独特の視点からの考察。

(新潮社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず