「大航海時代の日本人奴隷」ルシオ・デ・ソウザ、岡美穂子著

公開日: 更新日:

 16世紀前半、ポルトガルではアジア人奴隷は「ポルトガルが支配する地域の先住民」とされていて、日本人もその中に含まれていた。1577年に現在の大分県で生まれたガスパール・フェルナンデス(日本名は不詳)は、10歳のころ誘拐され、長崎でポルトガル商人ルイ・ペレスに奴隷として売られた。その売値は1ペソだった。

 日本では「年季奉公」という慣行があるが、それは「奴隷契約」ではなく、ヨーロッパ人の「期限付き奴隷」という考えとはかなりの隔たりがある。主人のルイ・ペレスが長崎にやってきたのは、異端審問所から逃れるためだった。

「異端審問記録」から、知られざる「日本人奴隷」の歴史を探る。

(中央公論新社 1650円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?