「やりすぎ教育」武田信子著

公開日: 更新日:

 日本の子どもたちは、成績はもちろんのこと、赤ん坊時代のミルクを飲む量からコミュニケーション能力まで、ありとあらゆることが数値化され、比較と競争を強いられる。

 親にとって子育ては、子を授かるのではなく「計画的に作り」、育つのではなく「育て」、育ったら「市場に出す」ものになってしまった。その結果、ユニセフの調査では、日本の子どもの「精神的幸福度」や社会的スキル(すぐに友達ができる)は多くの国の中でワースト2位だという。他者に勝つことが幸せにつながると子どもを信じ込ませ、比較してみせ、競争に追い込む。この考え方が子どもに幸せをもたらすのか。

 本書は、「成功を目指す教育」の限界を指摘し、健全な成長と学びとは何かを解き明かす子育て中の親必読の書。

(ポプラ社 979円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  3. 3

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    やす子の毒舌芸またもや炎上のナゼ…「だからデビューできない」執拗な“イジり”に猪狩蒼弥のファン激怒

  1. 6

    羽鳥慎一アナが「好きな男性アナランキング2025」首位陥落で3位に…1強時代からピークアウトの業界評

  2. 7

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 8

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  4. 9

    渡部建「多目的トイレ不倫」謝罪会見から5年でも続く「許してもらえないキャラ」…脱皮のタイミングは佐々木希が握る

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」