「ダイオウイカ vs. マッコウクジラ」北村雄一

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 深海の生き物を紹介するサイエンスエッセー。

 ネッシーや雪男に並ぶ伝説の怪物として19世紀の船乗りに盛んに目撃された「シーサーペント」(オオウミヘビ)こそダイオウイカだという。目撃証言では、シーサーペントがマッコウクジラを締め上げて深海に引きずり込んだとされるが、実態は逆。ダイオウイカは、マッコウクジラの大好物なのだ。

 その味は、歯ごたえがなく塩辛いだけだというが、その味にこそ深海を省エネで浮遊する秘密が隠されているのだとか。さらに、人間より126倍も感度がいい直径27センチの目玉が必要な理由など、まずはダイオウイカの生態に迫る。

 その他、ヘビの顔をしたサメのラブカや透明な頭を持つデメニギスなど、知られざる深海の世界をイラストを添え案内する。

(筑摩書房 902円)

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