「シリウスの反証」大門剛明著

公開日: 更新日:

 弁護士や大学教授が冤罪被害者の救済活動に取り組む団体、チーム・ゼロに、吉田川事件の確定死刑囚、宮原信夫から「俺はやってない」という手紙が来た。郡上おどりの夜、米穀店の一家4人が殺され、手提げ金庫が奪われた。凶器の包丁に宮原の指紋がついていたため逮捕されたのだ。

 元弁護士で大学准教授の東山佐奈は「やるべきです」と訴えた。事件現場で採取される指紋は70%が欠損のある片りん指紋で、最終的に人の目で判断されるが、宮原が前科持ちだという情報が鑑定に作用した可能性があると。指紋鑑定官の志村は指紋に相違点があると主張したが、他の鑑定官に否定された。

 科学が生み出した冤罪を取り上げる社会派ミステリー。

(KADOKAWA 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  2. 2

    ヘイトスピーチの見本市と化した参院選の異様…横行する排外主義にアムネスティが警鐘

  3. 3

    国民民主党「新人都議」に渦巻く“スピリチュアル疑惑”…またも露呈した候補者選定のユルユルぶり

  4. 4

    巨人・田中将大を復活させる「使い方」…先発ローテの6番目、若手と併用なんてもってのほか

  5. 5

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  1. 6

    高橋真麻がフジ港浩一前社長、大多亮元専務を擁護の赤っ恥…容姿端麗な女性集めた“港会”の実態知らず?

  2. 7

    参院選「自民裏金議員15人」で当確5人だけの衝撃情勢…比例は組織票があっても狭き門

  3. 8

    ドジャースが欲しがる投手・大谷翔平の「ケツ拭き要員」…リリーフ陣の負担量はメジャー最悪

  4. 9

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  5. 10

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?