「シリウスの反証」大門剛明著

公開日: 更新日:

 弁護士や大学教授が冤罪被害者の救済活動に取り組む団体、チーム・ゼロに、吉田川事件の確定死刑囚、宮原信夫から「俺はやってない」という手紙が来た。郡上おどりの夜、米穀店の一家4人が殺され、手提げ金庫が奪われた。凶器の包丁に宮原の指紋がついていたため逮捕されたのだ。

 元弁護士で大学准教授の東山佐奈は「やるべきです」と訴えた。事件現場で採取される指紋は70%が欠損のある片りん指紋で、最終的に人の目で判断されるが、宮原が前科持ちだという情報が鑑定に作用した可能性があると。指紋鑑定官の志村は指紋に相違点があると主張したが、他の鑑定官に否定された。

 科学が生み出した冤罪を取り上げる社会派ミステリー。

(KADOKAWA 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 4

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  5. 5

    狭まる維新包囲網…関西で「国保逃れ」追及の動き加速、年明けには永田町にも飛び火確実

  1. 6

    和久田麻由子アナNHK退職で桑子真帆アナ一強体制確立! 「フリー化」封印し局内で出世街道爆走へ

  2. 7

    松田聖子は「45周年」でも露出激減のナゾと現在地 26日にオールナイトニッポンGOLD出演で注目

  3. 8

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  4. 9

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 10

    実業家でタレントの宮崎麗果に脱税報道 妻と“成り金アピール”元EXILEの黒木啓司の現在と今後