「私の盲端(もうたん)」朝比奈秋著

公開日: 更新日:

 大学生の涼子は直腸の付け根にできた腫瘍を摘出したことから、腹部に人工肛門(ストーマパウチ)をつけることに。ある日、便意を感じて、いつも利用している科学館のバリアフリートイレに駆け込んだ。カーディガンとブラウスを脱いでストーマパウチの中身を処理し、ドアを開けると男が立っていた。無視して歩き出すと、「おれも、おんなじオストメイトや」と声をかけられた。男がTシャツをまくって人工肛門を見せると、涼子は立ち去ろうとしたが、転勤してきたばかりでこちらに友達がいないと言う男に誘われて、科学館の喫茶室に入る。

 現役医師が、オストメイトの男女の奇妙な交流を描く表題作ほか1編。

(朝日新聞出版 1760円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性