「北海道を味わう」小泉武夫著

公開日: 更新日:

 北海道の食材や料理を食べ尽くしてきた著者による食エッセー。

 北海道の春の味覚は海からやって来るという。産卵のため日本海沿岸に押し寄せるニシンだ。取れたてを刺し身にして、天然のヤマワサビを薬味に食べる。ニシンを刺し身で味わえるのは道民に贈られた春の特権だと、そのうまさを語る。

 春の大地の恵みといえば行者ニンニク。おひたしや卵とじのほか、昆布とともに漬け込んだ醤油を調味料として楽しむ方法など、自らが好むさまざまな食べ方を披露。さらに、春の北海道ならではの料理「サクラマスの飯鮓(いずし)」なども紹介。

 他にも夏のウニやカスベ(ガンギエイ)、驚くほどの甘さのニンジン、秋のサケやホッケに新米、キノコ、冬のキンキや寒ビラメ、カジカ鍋など。四季それぞれの恵みを味わう。

(中央公論新社 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態