「女童」赤松利市著

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 心を病んだ15歳の恵子は、父親の浩平に連れられ心療内科医の奥野のクリニックに通う。恵子は言われるまま、これまでのことをリポートにして奥野に提出する。

 恵子が心が壊れたと自覚したのは、小学2年の時の両親の離婚がきっかけだった。以来、パニック障害を抱える母親の目を盗み、彼女が処方された安定剤などの薬を常用するようになり、小学5年からはリストカットまでするようになってしまった。入院した子ども病院を強制退院になった恵子を見かねた浩平は、母親と娘を引き離し、神戸で2人暮らしを始めたのだ。仕事を休み、24時間娘と過ごす浩平だが、奥野が恵子に欲情を抱いていることには気がつかない。

 娘をモデルにした衝撃の前作「ボダ子」の前日譚となる長編私小説。 (光文社 748円)

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