「万葉考古学」上野誠編

公開日: 更新日:

「万葉考古学」とは、歴史学、考古学、歌の表現という視点から平城京をみるという試みである。

 例えば越中に赴任した大伴家持が、急死した弟の書持(ふみもち)を悼んで詠んだ挽歌(「万葉集」所収)に、「出でて来し/我を送ると/あをによし/奈良山過ぎて/泉川/清き河原に/馬駐(とど)め/別れし時に」という表現がある。

 書持は敬愛する兄を送るために、平城京から国境(くにざかい)となる奈良山を越えて、山背国(やましろのくに)の泉川のほとりまで送って行ったのだ。その書持が急死した後、火葬されたのは奈良山丘陵の東の佐保山だった。

 ほかに大伴旅人が赴任先の大宰府で詠んだ歌などを、考古学の視点で読み解く「万葉集」の入門書。

(KADOKAWA 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・橋上秀樹監督代行とは何者か…原辰徳氏には干され、阿部監督が心酔した“野村ID野球”の継承者

  2. 2

    (3)巨人の次期監督は誰か…松井秀喜氏、桑田真澄氏より“現実味”帯びる原辰徳氏の4度目登板

  3. 3

    (2)阿部監督「長女の手紙」で潮目一変…巨人が“事件矮小化”を手引きしたのか

  4. 4

    阿部監督のせい?巨人「マエケン取り失敗」の深層 その独善的な振舞いは筒抜けだった

  5. 5

    戸田恵梨香「地獄に堕ちるわよ」のヒットで世界進出へ…クリント・イーストウッド目指し「生涯現役宣言」

  1. 6

    とうとう下落に転じた高市内閣支持率…若者と女性の支持が「急落」した裏側

  2. 7

    (1)阿部監督の暴行事件は巨人にとって“渡りに船”だったか…異様に早い「解任判断」の裏側

  3. 8

    高市官邸の「カルビーいじめ」で…競合メーカー湖池屋&縁深い岸田元首相が猛烈とばっちり

  4. 9

    巨人阿部監督逮捕・辞任で父親世代に衝撃…他人事ではないDV逮捕と、AIが“相談相手”で問われる父親の存在意義

  5. 10

    映画「スーパーマリオ」が北米では大ヒットしても中国でヒットしないワケ