「歴史学のトリセツ」小田中直樹著

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「歴史学の歴史」をたどり、歴史の面白さを再発見させてくれるテキスト。そもそも、なぜ歴史の教科書は面白くないのか。高校で使用されている「歴史総合」の教科書を例に、教科書が立脚している歴史学が、その分析対象や主要なアクターを「国」とする「ナショナル・ヒストリー」を採用しているからだと指摘。 さらに「知識を欠如した非専門家に向けて専門家が知識を与える」=欠如モデルに基づきつくられ、個人的・集団的な「記憶」を排除し、歴史学者が見いだし検証して客観的だと判断された過去の「事実」に基づいて歴史を描き出すからだという。

 こうした歴史のつくられ方を踏まえた上で、19世紀半ばに歴史学を科学として制度化したランケから、近年の新潮流まで「歴史学の歴史」を詳述。 (筑摩書房 858円)

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