延ばせ!健康寿命 人生100年時代の健康法本特集

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「名医・専門家に聞くすごい健康法」週刊新潮編

 人生100年時代と言われても、寿命が延びただけでは幸せにはなれない。“幸せな100年”を実現するためのキーワードは「健康」だろう。今回は、食や運動に関する最新の研究から、江戸の思想まで、健康になるための4冊をご紹介。

「名医・専門家に聞くすごい健康法」週刊新潮編

 筋トレは、脳梗塞や心筋梗塞、さらには脳の老化までリスクの低減が見込める。高齢者こそ筋トレをすべきなのだ。

 デンマークでは85~97歳(平均年齢89歳)を対象に継続的な3カ月間の筋トレをする実験が行われた。結果は、膝を伸ばす筋力が平均38%アップし、下半身を支える大腿四頭筋の横断面積も9.8%増大。89歳の高齢者であっても成長できるとは驚きだ。

 高齢者にとって特におすすめなのは「スロースクワット」。4秒かけて沈み、4秒かけて上がるペースの上下動を行う。1セット5~8回とし、これを3セット。頻度は週にたったの2、3度。スローに動くことで筋肉の低酸素状態をつくり、高負荷の筋トレと同じ効果が期待できるという。

 ほかにも、「長生きには推し活が最良の薬」や「70歳からは積極的肉食で疲労除去」などの意外な健康法を、13人のプロフェッショナルが、最新の知見をふまえて伝授する。 (新潮社 858円)

「『老けない人』の習慣、ぜんぶ集めました。」ホームライフ取材班編

「『老けない人』の習慣、ぜんぶ集めました。」ホームライフ取材班編

 いかにも年寄りくさいしぐさの代表といえば、手元の情報を読むために頭を後ろに引くこと。老眼鏡に関するある調査によると、そのしぐさをするだけで、実年齢に関係なく50歳以上に見られるという結果になった。

 老眼でも若々しく見られるためのスキルは、頭を後ろに引くのでなく、逆にスマホや本を遠ざけること。目から距離を離すという点では同じだが、ゆっくりさりげなく行うことで周りから気づかれにくくなるという。

 また、スマホの場合は文字を大きく変更できるが、これはアウト。ふとした瞬間に「こんなに老眼が進んでいるんだ」と気づかれやすいのだ。文字を大きくせず、太くする機能を使うだけで周囲に悟られにくくなる。

 ほかにも「リンスやコンディショナーは不要」や「焼き餃子よりも水餃子」など、食事から入浴、さらにはメンタルまで、あらゆる面から116の不老テクニックを大公開。 (青春出版社 1100円)

「ハーバードが教える最高の長寿食」満尾正著

「ハーバードが教える最高の長寿食」満尾正著

 日本人が最も健康的な食生活を送っていたのは、1975年。これは、60年代から05年までの日本人の食事内容を再現し、8カ月間にわたってマウスに与えた実験で実証されている。75年当時の食事を与えられたマウスは、内臓脂肪の増加が抑制され、糖尿病の原因ともいわれるインスリン感受性の低下も少なかったのだ。

 現在、50歳以上の人が体験していた、なんてことのない「一汁三菜」のシンプルな食生活が、最もバランスが優れていたのだ。特に、納豆は現代人に不足しがちなビタミンKや亜鉛などの栄養素が豊富なスーパーフード。毎日食べる人は、循環器疾患で死亡するリスクが2割少ないという実験もある。

 ほかにも、「男性の性機能維持には甘いものは好ましくない」や「飲酒時におすすめのつまみはスルメ」など、年齢や悩みのケースごとに食養生を紹介。ハーバード大学で学び、日本にいち早く抗加齢医療を持ち込んだ著者ならではの理論的な解説も読みどころ。 (朝日新聞出版 935円)

「江戸の少食思想に学ぶ」若井朝彦著

「江戸の少食思想に学ぶ」若井朝彦著

 江戸のベストセラー、貝原益軒の「養生訓」では、儒教の観点から健康思想が説かれた。一方で、現代ではあまり知られていないが、当時高い人気を誇った“食と命の指南書”である「修身録」では、少食・粗食の思想が一貫して説かれている。

「少食の者は福分を得る」「野菜大食に凶なかるべし」「怠惰で酒肉に楽しみを求める者に出世なし」……。

 この奇天烈とも言える思想を残したのは、観相家(人相を見て人の運命を判断する職業)の大家であった水野南北。彼の生きた文化・文政期は、大火や飢饉に襲われず、間食や外食などの食文化が発展した大安の世だった。芝居や賭博などの娯楽が興隆した放埓な世相に立ち向かい、少食・粗食の生き方を説いたのだ。

 思想の根底にあるのは、「分限」。それは、天から運が与えられるのと同様に、一生分の食も天から与えられているという論理である。「大食は天に借りを生ずる」と、過食・飽食の現代に警鐘を鳴らす。 (小学館 1056円)

【連載】ザッツエンターテインメント

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