「風の中に立て」伊集院静著

公開日: 更新日:

「風の中に立て」伊集院静著

 昨秋、亡くなった著者の人気エッセーシリーズ「大人の流儀」から珠玉の言葉を厳選した名言集。

「大人がふさわしい時計をしている姿を美しいと思う」との一文には、若者が「祖父から貰い受けた」という古い時計をしているのを見ると、「そこに大人の洒落の神髄のようなものがあると思ってしまう」と記し、若き日に父から譲り受けた時計のエピソードを添える。

 ほかにも「一見、無駄と思える銭を使いなさい」「余裕がない? なら大人の男であるから懸命に、人の何倍も働けばよいだけのことだ。人間は銭が入った時、どう使うかで、或る器量は計れる」「恋はいつもかも夢中でするものでも探すものでもないよ」など。豊かな人生経験から紡ぎ出された言葉が、読者の心に寄り添い、そっと励ます。

(講談社 1100円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  2. 2

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  3. 3

    高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格

  4. 4

    「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ

  5. 5

    進次郎農相ランチ“モグモグ動画”連発、妻・滝川クリステルの無関心ぶりにSNSでは批判の嵐

  1. 6

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  2. 7

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    銘柄米が「スポット市場」で急落、進次郎農相はドヤ顔…それでも店頭価格が下がらないナゼ? 専門家が解説

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題か...大谷の“献身投手復帰”で立場なし