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「武器としての非暴力」中見真理著

「武器としての非暴力」中見真理著

「あっという間に暴力が蔓延する世界になりました」

 本書の冒頭で著者はこう嘆く。しかしあきらめない。

「暴力によらずに戦争やさまざまな抑圧・差別を解消していくにはどうすればよいのか」と問い、アメリカの非暴力主義者ジーン・シャープを紹介する。彼は道徳や宗教的信念ではなく、ガンジーの非暴力思想を徹底的に研究し、戦いの手段として非暴力を選んだ。それも民衆の抵抗手段としてだけでなく、国家も非武装を選択し得るとする。なまじ核兵器など持つと疑心暗鬼から先制攻撃される可能性が高まる。軍事にしがみつく人は、攻められたらどうするという不安に動かされているのだという。

 シャープの思想はミャンマーの民衆革命を支え、セルビアでは独裁者の放逐に貢献した。独裁下では政府に操られる国営メディアを妨害、自分たちで地下テレビ局を開設するだけでなく、警察に対しても手紙による説得という地道な手段を貫いたという。もはや経済大国の座から日本が滑り落ちたいま、軍事大国をめざすのは愚の骨頂。リアリズムとしての非暴力・非武装を考えるための本。 (NHK出版 1023円)


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