構想28年 スコセッシ最新作「沈黙」は壮大な“学びの旅”

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 原作との出合いから28年の歳月を費やした大プロジェクトだ。ハリウッドが誇る巨匠とて「積年の願いで映画を完成させることができた。私にとって壮大な“学びの旅”だった」と感慨に浸るのも無理はない。

 16日、来日記者会見に臨んだマーティン・スコセッシ監督(74)。作家・遠藤周作の同名小説を映画化した最新作「沈黙-サイレンス-」(KADOKAWA)の日本公開を21日に控え、「日本文化への敬意を力の限り描いた巡礼のような作品」などと1時間近くにわたって熱き思いを語ったのだった。

 江戸時代初期の長崎を舞台に、若きオランダ人司祭が目撃した日本人信徒(隠れキリシタン)の受難や苦悩を通じ、人間にとって本当に大切なものを問うた一本。「人間の弱さや懐疑心は否定するのではなく、受け入れて包囲すること。人間や文明の進化を推し進めるには、信じたいと思う心を真剣に考えることこそが大事なんだ」とも語った。

 2時間40分に及ぶ長編大作は見ごたえたっぷり。会見には、隠れキリシタン7代目帳方(指導者)の村上茂則氏(66)も登壇した。

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