アリスでは宴会担当 Dr.矢沢透さんが明かすメンバーと酒

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おしゃべり独壇場の武田鉄矢の時は聞き役に

 1984年から六本木でこの店(串焼き「阿雅左」)をやっています。もう36年になります。今でこそ音楽で稼ぐことができるけど、当時は先々どうなるか分からなかった。好きな音楽をやるには安定した収入がないとダメ、お金のために音楽をやるようじゃダメだと思った。他のことで収入を得て、自分の音楽を好きにやりたいという趣旨で始めました。

 当時はバブル前。それから一気にバブルになって六本木はすごかったですよ、景気がよくて。シャンデリアが落ちた「トゥーリア」や「ヴェルファーレ」があった。

 この店は33席あって1日に3回転、100人です。焼き物のコースだと食べ終わるのに最低1時間かかる。でも時間がないからと半分だけ食べて出ていく。それで支払いもお釣りがいらない世界です。客層は30代が中心で銀行、証券、建設、外資系……外国人も多かった。お客さんがみんな株の話をしていて、あそこの株を買ったら上がるとか。翌日言われた通り買ったら本当に30万円儲かったとか。僕も、株も先物も全部やりました。ただ、先物は難しくて、さすがに損した。

 一番、飲んだのはその頃ですね。生ビール12杯とか、日本酒なら1升飲んでたかもしれない。

 失敗だったのは友達に頼まれて浅草に2号店を出したことです。オープンから3年間、ずっと赤字。それで懲りて撤退して、ようやく立ち直ったら2008年のリーマン・ショック、11年に東日本大震災と続きました。何か起きると、真っ先に外国人がいなくなる。

 でも、外国人は焼き鳥が好きですね。うちは串焼きのバリエーションが豊富なので、外資系のエリートの人が気に入ってくれて口コミで広めてくれる。僕のことは全く知らないから、お店では「ありがとう」と普通に挨拶しています。

 ただ、36年やると、高齢化が激しくて。チョウよ花よで使いまくった人が66歳ですからね。ほとんどリタイアしている。若い人もお得意さんになってくれるけど、人それぞれのテリトリーがある。ご近所に住んでいる方はしょっちゅう来てくれるようになりますが。

 芸能界の方もたくさん来てくれました。今も顔を出してくれます。当時はロック寄りなら矢沢永吉さんやプリプリとか小田和正さん、役者ならダブル浅野やデビュー前の竹野内豊君、高橋克典君、友達の石田純一さんや六平直政さんもよく。タレントで最近多いのが陣内智則君かな。

 意外なのは爽やかな印象の岸田敏志君。飲み続けて長居する。武田鉄矢さんは面白いけど、会話のキャッチボールができない。独壇場だから聞き役だけになります。

 50周年はまたツアーをやると思います。生で見ると迫力がすごいから、ぜひ見にきてください。

(聞き手=峯田淳/日刊ゲンダイ

▽矢沢透(やざわ・とおる) 1949年2月生まれ。ドラム&パーカッション担当、愛称「キンちゃん」。Alice活動停止以降は都内の人気飲食店を経営。並行して「HUKUROH」のメンバーとして音楽活動も継続。

▼阿雅左(AGATHA)
東京都港区六本木4-12-7 RBビル6階

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