ヒット映画「Fukushima50」よりも秀逸で見直されたNスペ

公開日: 更新日:

 同じ事故をテーマに、同じ関係者らから話を聞いて製作しているのだから、ストーリーが似るのはわかるが、カメラアングルまで同じシーンがいくつもあるのは鼻白む。打つ手がなくなり床にへたり込む吉田所長、放射線量が高くて開閉バルブまでたどり着けず泣き崩れる作業員など、テレビで見たまんまだ。内容的にもNスぺのほうが濃く、見ごたえもあるというのでは、映画としては失敗だろう。

 なにより致命的なのは、事故を天災として描いていることだ。地震と大津波は天災だが、事故は人災である。そこにウソがあるから、なぜ事故が起こったのかも、福島の現場が何と闘っているのかもわからない。映画のなかの男たちは、ただただ怒鳴りあっているだけである。

 Nスぺシリーズも東電や歴代政権の事故責任に迫っているとは言いがたいが、少なくとも映画よりは事故の実態に迫ろうとはしている。これまでの放送は、NHKのオンデマンド配信で見ることができる。

(コラムニスト・海原かみな)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “幼稚さ”露呈した佐々木朗希「報奨金事件」…ド軍日本人スタッフ2名が「7000万円超」もらえず?

  2. 2

    赤沢経産相“ナフサ不安”の呆れた責任逃れ シンナー不足「目詰まり」「解消済み」に塗装業界は不信感

  3. 3

    山本由伸の敵は身内ドジャースのヘッポコ捕手陣 自動投球判定システム「セルフチャレンジ」のススメ

  4. 4

    京都小6男児遺棄事件は急転直下! 父親逮捕で残る数々の「謎」…犯行動機は? 隠蔽工作も稚拙

  5. 5

    松本人志の地上波本格復帰を誘発? 消息不明だった板東英二が高須克弥氏のインスタに登場の意味深

  1. 6

    NHKドラマ10「魯山人のかまど」は早くも名作の予感! 藤竜也は御年84歳、枯れてなお色香漂う名演技

  2. 7

    楽天は“格安”、12球団監督の年俸はこうして決まる…出来高、日米待遇格差まで丸っと解説

  3. 8

    佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れていた

  4. 9

    「考える野球」に混乱と苛立ちが続く中、涙が出そうになった野村監督の声かけ

  5. 10

    田中将大 好調のウラに“病気”の克服…昨季との「決定的な違い」を元巨人投手コーチが解説