著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<21>800万円のロングコートを着てムービーカメラの前で悪代官のように振る舞う

公開日: 更新日:

■800万円の茶色のロングコート

 翌日は朝からドン・ファンと愛人の撮影が始まった。2人は勝浦の沖にある高級ホテルから船に乗って戻ってきた。船を下り、岸壁を歩いているドン・ファンは機嫌がいいようで、800万円もする茶色のロングコートを着て笑顔を見せている。

「まるで悪の権化じゃないですか。金で愛人を自分のものにする悪代官って絵面ですよ。こんな絵が欲しかったんです」

 スーさんがムービーカメラを向けながら喜んでいた。社長と愛人を乗せたベンツは、次に那智の滝へと向かった。ここでは愛人が撮影を嫌がって車から降りなかったので、ドン・ファンは1人で長い階段を下って、滝が望める社務所脇まで歩いていった。スーさんと私もそれを追いかけた。スーさんはカメラを回している。

「はーい、ハッピイオーラ、ハッピイ、エレガント!」

 そこには中国人の団体客が十数人いた。その中の若いべっぴんさんを口説いているドン・ファンの姿も撮ることができた。

「ハッピイオーラ、ハッピイエレガント、私とエッチしませんか?」

 これが彼の定番の口説き文句で、いつも見境なく口にしていた。

【連載】紀州のドン・ファンと元妻 最期の5カ月の真実

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