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松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

じつにカッコいい。人生の成功者・島田雅彦さんのいるところ、何かが起こる。

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■稀少な現代の文士

 何しろ『島田雅彦芥川賞落選作全集』なる2冊組(!!)を河出文庫から出しているのだから痛快きわまりない。色っぽい噂も何度となく経験しているし、昨年は元首相暗殺をめぐる発言で物議を醸したのも記憶に新しい。このひとのいるところ、何かが起こる。そう思わせる稀少な現代の文士であることに異論の余地はない。

 だが、そんな島田さんが2007年公開の劇映画『東京の嘘』で主演を務めたことは、あまり知られていないのでは。文筆家、大学教授、色男、成功者……実人生でのさまざまな側面がそのまま主人公の役柄に織りこまれた「リアルな虚構」と呼びうる怪作。監督の井上春生さんは、映画作家ジョナス・メカスを詩人・吉増剛造が悼むドキュメンタリー『眩暈VERTIGO』で知られる。

 上映館数の少なさとサブスク未解禁ゆえに〈幻のカルト映画〉とも呼ばれる『東京の嘘』を、2024年のいま島田さんと井上監督が縦横無尽に語るトークイベントが、来週末4月27日に御茶ノ水のブックカフェ〈エスパス・ビブリオ〉で催される。おふたりに兄事するぼくが進行を務めるので、ぜひ気軽にお運びいただきますよう。

 この顔ぶれである。トークの話題が同作品だけにとどまることはまずあり得ない、と予めことわっておこう。完全予約制。

(ご予約はメールか電話で。エスパス・ビブリオのホームページをご覧ください)

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