元体操選手の鶴見虹子さん 生徒200人を抱える体操教室を経営、“アイドル”も育成中
「中学に上がる2年後にデビューさせる予定です」
え、アイドル?
「教室に来た会員から女子4人をスカウトし、体操のほかダンスや歌、語学のレッスンを週6で行っています。この11月に銀座で非公開のお披露目ライブをする予定。1期生の2人はいま小5なので、中学に上がる2年後にデビューさせる予定です」
そりゃまた力の入った計画だ。
■五輪に出ても食べていけないのが体操界の現実。なんとか盛り上げたくて
「体操をやっても金銭的に報われなかった経験から考案しました。私は体操を18年やって五輪にもいったのに、引退後に就職したベンチャー企業のお給料が少なくて……。『こんなことなら、勉強ガンバって東大に入ったほうが良かった』と思いました。体操をやった先の未来が明るくないと、体操をやろうという人は増えない。私は体操界の裾野を広げ、盛り上げたい。そのために歌って踊れる体操選手兼アイドルを育成し、彼女らがハネれば金銭的にも報われ、体操に夢をもってもらえると考えたんです。失敗したら? ここまで投資して、失敗なんて許されません(笑)!」
■自身も引退後は居酒屋や宅配ピザ、銀座のクラブで働いたことも
資金はどこから?
「ある大企業の社長からお借りしました。私、ベンチャー企業を辞めた後、タレントを2年、それから居酒屋、宅配ピザ、国会議員の秘書などいろんなアルバイトをし、生活のために中野や六本木、銀座のクラブでも働いていたんです。いろんなバイトをするなかで社長と知り合いました。月1回PL(損益計算書)の報告をし、返済も少しずつしています。その社長に、将来、私の育てたアイドルのチケットがほしいと言われるのが夢(笑)。でも、ビジネスで成功するには、体力が必要だし、頭の良さや発想力、人格も大事。五輪に出るより大変と感じながら、休みなしで毎日遅くまで働いています」
大学や体操協会で指導者になる道もあったろう。
「引退してすぐは別のことをやってみたくて。友人に誘われて入ったベンチャー企業では、体操教室を起ち上げる仕事だったのでビジネスを学べた。その経験が今の教室を始めるのに役立ちました」