著者のコラム一覧
スージー鈴木音楽評論家

1966年、大阪府東大阪市生まれ。早大政治経済学部卒業後、博報堂に入社。在職中から音楽評論家として活動し、10冊超の著作を発表。2021年、55歳になったのを機に同社を早期退職。主な著書に「中森明菜の音楽1982-1991」「〈きゅんメロ〉の法則」「サブカルサラリーマンになろう」「大人のブルーハーツ」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイの好評連載をまとめた最新刊「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」(日刊現代/講談社)が絶賛発売中。最新刊「日本ポップス史 1966-2023: あの音楽家の何がすごかったのか」が発売中。ラジオDJとしても活躍。

拓郎も歌い込んだホンダ・シビックの音を奏でるフォルム

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 が、今回注目したいのは、72年・73年・74年と、3年連続でこのアワードを受賞したクルマがあったことだ。

 自動車業界に詳しい人ならピンとくるだろう。そう、ホンダ・シビックである。低公害エンジン「CVCC」で、世界を席巻したあのシビックだ。

 子供心に、詳しいことは分からなかったが、オイルショックや不景気にあえぐ日本の車道をスイスイと走っていく人懐っこい見てくれは、まさに「ニューミュージック・カー」だと思ったものだ。

 トヨタ・カローラにも日産サニーにも、音楽が流れてくる感じなんてまるでしなかった。でもシビックには、フォークやニューミュージックのたたずまいがあるというか、後部座席にフォークギターが載っていても、まったく不自然じゃない感じがしたのである。

「それ、あなたの感想ですよね」

 いや、ひろゆきさん、違うよ。76年に発表された吉田拓郎のアルバム「明日に向って走れ」に収録された「僕の車」という曲のラストを聴いてほしい。驚くべきことに「ホンダ・シビック」の名前が、実際に歌い込まれているのだから。

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