著者のコラム一覧
スージー鈴木音楽評論家

1966年、大阪府東大阪市生まれ。昭和歌謡から最新ヒット曲まで幅広いジャンルの楽曲を、社会的な視点からも読み解く。主な著者に「中森明菜の音楽1982-1991」「大人のブルーハーツ」「日本ポップス史 1966-2023」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイの好評連載をまとめた「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」、最新刊「日本の新しい音楽1975~」は大好評。ラジオDJとしても活躍。

拓郎も歌い込んだホンダ・シビックの音を奏でるフォルム

公開日: 更新日:

 が、今回注目したいのは、72年・73年・74年と、3年連続でこのアワードを受賞したクルマがあったことだ。

 自動車業界に詳しい人ならピンとくるだろう。そう、ホンダ・シビックである。低公害エンジン「CVCC」で、世界を席巻したあのシビックだ。

 子供心に、詳しいことは分からなかったが、オイルショックや不景気にあえぐ日本の車道をスイスイと走っていく人懐っこい見てくれは、まさに「ニューミュージック・カー」だと思ったものだ。

 トヨタ・カローラにも日産サニーにも、音楽が流れてくる感じなんてまるでしなかった。でもシビックには、フォークやニューミュージックのたたずまいがあるというか、後部座席にフォークギターが載っていても、まったく不自然じゃない感じがしたのである。

「それ、あなたの感想ですよね」

 いや、ひろゆきさん、違うよ。76年に発表された吉田拓郎のアルバム「明日に向って走れ」に収録された「僕の車」という曲のラストを聴いてほしい。驚くべきことに「ホンダ・シビック」の名前が、実際に歌い込まれているのだから。

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