拓郎も歌い込んだホンダ・シビックの音を奏でるフォルム
が、今回注目したいのは、72年・73年・74年と、3年連続でこのアワードを受賞したクルマがあったことだ。
自動車業界に詳しい人ならピンとくるだろう。そう、ホンダ・シビックである。低公害エンジン「CVCC」で、世界を席巻したあのシビックだ。
子供心に、詳しいことは分からなかったが、オイルショックや不景気にあえぐ日本の車道をスイスイと走っていく人懐っこい見てくれは、まさに「ニューミュージック・カー」だと思ったものだ。
トヨタ・カローラにも日産サニーにも、音楽が流れてくる感じなんてまるでしなかった。でもシビックには、フォークやニューミュージックのたたずまいがあるというか、後部座席にフォークギターが載っていても、まったく不自然じゃない感じがしたのである。
「それ、あなたの感想ですよね」
いや、ひろゆきさん、違うよ。76年に発表された吉田拓郎のアルバム「明日に向って走れ」に収録された「僕の車」という曲のラストを聴いてほしい。驚くべきことに「ホンダ・シビック」の名前が、実際に歌い込まれているのだから。


















