名バイプレーヤー斉藤暁さんが演じた「とっておきのワンシーン」を語る
斉藤暁さん(俳優/72歳)
現在ヒット中の映画「踊る大捜査線 N.E.W.メトロポリスを駆け抜けろ!」で湾岸署の名トリオ「スリーアミーゴス」として出演している斉藤暁さん。再放送中の朝ドラ「ひよっこ」や「科捜研の女」シリーズでは名バイプレーヤーとしても活躍。斉藤さんにとっておきのエピソードを伺った。
■伊藤沙莉さんの事務所社長に「ありがとうね」と感謝された
「ひよっこ」はヒロインの有村架純さんが集団就職で茨城から出てきて東京で働く物語です。その中で僕は米屋の親父の役でした。その娘を演じたのは伊藤沙莉さんです。朝ドラは普通、家族は良好な人間関係が多いでしょ。でも、僕と伊藤さんの親子は真逆で、ろくに口も利かず、いつも喧嘩してる。僕が何か言うと伊藤さんが言い返してね。その仲の悪さは演じていて気持ちいいほど。
僕がパン屋の後家さんのことが気になってそわそわしていると、「ドスケベ親父」なんて言い方をしてね。ウジウジせず、さっぱりしたいいセリフで返してくれるのがいい。脚本も見事でした。
伊藤さんとは初共演でした。彼女はニコッとした時の笑顔がいい。愛嬌があって親近感が湧くじゃないですか。僕も丸顔で、伊藤さんと雰囲気がちょっと似てるところがあるから(笑)、本当の親子と思って見ていた人もいたんじゃないかな。
伊藤さんの事務所の社長の万代博実さんが去年亡くなられました(享年74)。僕と同期の余貴美子さんも所属している事務所で、万代さんとは現場では挨拶程度で、ゆっくりお話ししたことはありませんでした。
ところが、お亡くなりになる少し前、NHKでバッタリお会いしましてね。駆け寄ってきて「斉藤君! ありがとうね」と言われました。僕が「こちらこそあの時(ひよっこ)は楽しかったです」と恐縮したら、逆にビックリされたみたいで。あのドラマは米屋のシーンが放送されると「視聴率が上がる」と言うスタッフがいたくらいで、インパクトがあったんでしょうね。伊藤さんが売れるきっかけになったことがうれしかったんだと思います。伊藤さんはそのうち出てくるんじゃないかと思っていたけど、その通り、朝ドラ「虎に翼」のヒロインを務めましたからね。
「科捜研の女」はシーズン24まで放送され、今年で幕を閉じました。僕は文書鑑定の専門家で所長の役だけど、他の人もその道のプロの集まりで主役の沢口靖子さんは「みんなエスパーだ」と言っていました。チームワークがいいけど、みんないつも何かに集中しているから声をかけるのは悪いなと思うくらい。


















