浜村淳(3)「どういうしゃべりをしたら人の気持ちを自分の方に向かせられるかと思て、寄席で落語をよう聞いたんよ」
「さてみなさん……」のフレーズは、実はフェイク
浜村さんといえば「さてみなさん……」という問いかけのフレーズが有名です。でもあのフレーズ、実は大平サブローさんが浜村さんのものまねをされる時に、イメージを増幅させてつくった“フェイク”でした。ところがこのフレーズが有名になると本家が逆輸入。サブローさんに「さてみなさん、使こてもかまへん?」と言う柔軟さもありました。
私が漫才作家として20年を超えた頃「そないなるか? あのガリガリやった子が。台本が(手元に)来て、構成にぽんちゃんの名前があったら、こら大丈夫やて、ホッとすんねん」とこれ以上ないお褒めの言葉をいただいたこともありました。
「若いときには、どういうしゃべりをしたら人の気持ちを自分の方に向かせられるかと思て、寄席で落語をよう聞いたんよ。ヒントを求めてたんやね。その結果、こんなしゃべりになってしもたんやけど」と成り立ちを語ってくれました。
京都弁をベースに立て板に水のようにしゃべりながら、聞かせどころにくると、ひと呼吸おいてリスナーの耳をくぎ付けにする「間」と「緩急」を自在にあやつる「浜村節」。話芸はその状況を聞き手にイメージさせないと芸とは言えないと言われますが、まさに浜村節はその境地を極めたものだと思います。》
(2026年4月11日付「お笑い界偉人奇人変人伝 本多正識」)



















