女優の原点に 月船さららの迷い解いた天願大介監督の洗礼

公開日: 更新日:

 天願監督には、「世界で――」のクランクアップ後に出演した、TPTプロデュースの「スペインの芝居」という舞台でもお世話になり、無名塾出身の出口結美子さんと演劇ユニット「metro(メトロ)」を09年に立ち上げる際、また出口さんがご結婚・引退され、ソロで活動を続けると決めた時にも、相談にのっていただきました。

 何より「metro」の旗揚げ公演「陰獣-INSIDE BEAST-」から13年の第6回公演「なまず」再演まで全作品の作・演出が監督です。もし、お会いしていなかったら、そして天願作品の洗礼を受けていなかったら、今の私はないと思います。

 公開中の映画「変態だ」では主人公と女王様プレーを楽しむ愛人役です。真冬の八ケ岳山麓で裸になり、セックスするシーンこそ大変でしたが、どのような役であっても徹底して演じられるのは、やはり「世界で――」で役作りを学んだからでしょう。

 女優は決して楽な仕事ではありません。常に台本に向き合い、どう演じたらお客さまに、脚本家や監督の真意、意図するところを伝えられるのかと突き詰める仕事。当然、自分との戦いです。その作業は大変ですが、毎回ホンの数%でも上に行ってると感じられるから続いていると思います。オファーがある限り勝ち続け、前進していきたいですね。

▼みうらじゅん原作、安齋肇監督のR18+指定、ロックでポルノな話題作でメーンキャストの月船さんは主人公とSMにハマる妖艶な愛人役。女王様のボンデージ衣装や雪中SMセックスは必見。他に前野健太、白石茉莉奈らが出演。新宿ピカデリーほか全国で上映中。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」