日本人論文で注目 糖尿病薬で「前立腺がん」抑え込めるか

公開日: 更新日:

 糖尿病が怖いのは血糖値が高くなることではない。それを引き起こす生活習慣や体形が合併症を発症させることだ。とくに怖いのはがん。2013年の日本糖尿病学会の調査報告によると、糖尿病患者はそうでない人に比べて約1.2倍のがん発症リスクがあるという。いったん発症すれば増殖に歯止めがかからないがんだが、「種類によっては糖尿病の注射薬で抑え込めるかもしれない」との日本人の研究論文が注目されているという。

「現在、糖尿病の薬で抗腫瘍効果があるとされているのがメトホルミンです。世界中の研究機関の大規模臨床試験等で確認され、そのメカニズムの解明も進んでいます。それに続く薬として注目されているのが『GLP-1受容体作動薬』です。血糖を下げる注射薬ですが、前立腺がんの進行を食い止めるのに役立つ可能性があるとの論文が一昨年、世界的糖尿病雑誌『Diabetes』に掲載されたのです」

 こういうのは糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・西蒲田)の辛浩基院長だ。

 食事による刺激によって小腸から分泌され、インスリン分泌を促進する働きを持つホルモンをインクレチンと呼ぶ。GLP-1はそのひとつで、すい臓のβ細胞表面にあるGLP-1の鍵穴(受容体)にくっつき、インスリンを分泌させ、血糖値を抑える。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意