新抗がん剤が契機 進行・再発胃がんの治療戦略に変化あり

公開日: 更新日:

 胃がんは、日本人のがんの中で罹患率トップだ。患者数は増加傾向にあり、特に男性は女性に比べより増加している。昨年末に公開された胃がん治療ガイドライン速報では、胃がん化学療法のパートで「推奨される治療」に変化があった。がん研究会有明病院消化器化学療法科・山口研成部長に聞いた。

 胃がんは、内視鏡治療、外科手術、化学療法(抗がん剤)が治療の3本柱だ。がん治療はⅠ~Ⅳ期の病期によって治療法が異なる。胃がんでは、ごく早期が内視鏡治療、その適応がない場合は外科手術、それらの適応がないⅣ期は基本的に抗がん剤になる。内視鏡治療と外科手術はがんの根治を目指すのに対し、抗がん剤は「延命」あるいは「再発予防」が主たる目的だ。

 近年、抗がん剤は、新しいカテゴリーの薬剤が登場した。従来の抗がん剤が「殺細胞性抗がん剤」のカテゴリーに入るのに対し、がん増殖に特異的に働く分子を狙い撃ちする「分子標的薬」がそれに当たる。新たな分子標的薬が承認されたことにより、今回のガイドラインから抗がん剤治療の戦略が変わったのだ。

 進行・再発がんへ抗がん剤治療を行う時、事前に「HER2(ハーツー)検査」を行う。HER2は、細胞の増殖・分化に関わるタンパク質。これが、がん細胞に過剰に発現しているタイプかどうかを調べる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  3. 3

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 4

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  2. 7

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  3. 8

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  4. 9

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  5. 10

    中日FA福谷浩司に“滑り止め特需”!ヤクルトはソフトB石川にフラれ即乗り換え、巨人とロッテも続くか