著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

M・ダグラス公表 舌と喉の腫瘍は放射線で生活機能を守る

公開日: 更新日:

 真意はどこにあるのでしょうか。米俳優のマイケル・ダグラス(72)が、ロンドンで開催されたイベントで語ったことです。

 2010年に喉にクルミ大の腫瘍が発見されたことについて、「手術をする可能性もあるし、顎の一部を取り除くことになるから、俳優としてのキャリアを続けることは難しいと言われたね。『これは死刑宣告なのか?』と思ったよ」と振り返っていました。

 実は咽頭がん公表の3年後、本当は舌がんだったと英国のテレビで語っているのです。「(ステージ4の舌がんで手術をすることになれば俳優生命を絶たれるため)医師から『咽頭がんということにしておこう』とアドバイスされた」と。

 その背景を探ると、いくつか重要なことが推察されます。一つは、がんの場所です。舌の後方3分の1は舌根と呼ばれます。この部分にできたがんは舌がんではなく、中咽頭がんとして扱われます。医学的にシロウトのダグラスが、舌という場所を意識すれば舌がんと言うかもしれないし、医師の説明を素直に受ければ咽頭がんとも言うかもしれません。どちらの発言もあり得るのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  2. 2

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  3. 3

    ヤクルト青木“GM”が主導したバランスドラフトの成否…今後はチーム編成を完全掌握へ

  4. 4

    森下千里氏が「環境大臣政務官」に“スピード出世”! 今井絵理子氏、生稲晃子氏ら先輩タレント議員を脅かす議員内序列と評判

  5. 5

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  1. 6

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  2. 7

    高市首相が狙う悪夢の“強権官邸”復活…安倍時代の再来へ「経産-警察ライン」で恐怖政治

  3. 8

    最終盤の宮城県知事選は仰天の展開! 高市首相応援の現職vs昭恵さん&参政党支援の元自民議員でデッドヒート

  4. 9

    小川晶市長「ラブホ密会」の震源地…群馬・前橋市のナイトスポットで“まさかの声”続出

  5. 10

    タレント出身議員の“出世頭” 三原じゅん子氏の暴力団交遊疑惑と絶えない金銭トラブル