著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

都立病院は本業で年間にいくら儲かっているのか?

公開日: 更新日:

 都立病院は本業だけでは立ち行かず、240億円の医業外収入(大半が都と国の負担金・補助金等)で持ちこたえています。今回は本業の収益を細かく見ていきましょう。〈表〉は過去3年間の医業収益と医業費用の項目別金額をまとめたものです。まず収益ですが、増えているのは外来収益で、入院収益はほとんど増えていません。言うまでもなく患者単価は入院のほうが高いのですが、都立8病院のベッド稼働率は82%前後という低空飛行で、重装備の病院にとってはかなり苦しい数字です。入院で稼げない分を外来で補っている様子が推測されます。

「一般会計負担金」とは、周産期医療・小児医療・離島医療などの充実のために東京都から注入されている資金です。これも補助金と見なせば、都立病院に注入されている税金は毎年440億円以上になります。また表には載っていませんが、2015年には都の一般会計から50億円の資本注入がされています。

■職員の収入は民間病院より高め

 費用で目につくのは「給与費」(人件費)です。医業収益に対する人件費の割合は50%前後が適正といわれています。しかし都立病院のそれは、55・5%前後で推移しています。実は都立病院の医師給与は、むしろ低めに設定されています。しかしその他の職員(技師、看護師、事務など)は民間病院よりも高めです。しかも地方公務員ですから、年齢に応じて上がっていきます。

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