著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

生活習慣を改善できなければコレステロール降下薬の中止はマイナス

公開日: 更新日:

 前回に引き続き、脂質異常症(高脂血症)の治療薬についてお話しします。

 コレステロールを下げる脂質異常症治療薬の中には、効果が強い分だけ副作用が起こる可能性があるタイプがあります。

 そうした脂質異常症治療薬を中止したり、より安全な薬に変更するためには、どうすればいいのでしょうか。当然のことですが、血中脂質=コレステロールの数値を改善し、動脈硬化のリスク因子を減らさなくてはなりません。

 薬を飲まなければコレステロールの数値をしっかりコントロールできない場合は、心血管疾患のリスクをアップさせないためにも、薬をやめるのはマイナスといえます。

 コレステロールの数値を下げるためには、生活習慣の改善が必須となります。最も有効なのが「禁煙」です。まずは禁煙するだけでも、減薬・中止に向けて一歩前進です。

 次に、運動習慣や食事の改善が効果的です。患者さんにとってはなかなか難しいのが現実でしょうが、本気で脂質異常治療薬の減薬・中止を考えるのであれば、取り組むしかありません。運動と食事については目標設定が重要です。定期的に腹囲を測定して、男性なら85センチ以下、女性なら90センチ以下を目標にするのがいいでしょう。メタボ体形は動脈硬化のリスク因子のひとつですから、改善すれば減薬・中止に向けてさらに前進できます。また、目標を徐々にクリアすることで、モチベーションの維持につながります。

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