著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

【解熱鎮痛消炎剤】金額ベースでは高脂血症治療薬の3分の1の規模

公開日: 更新日:

 解熱鎮痛消炎剤の処方量は約47億錠。高脂血症治療薬(約50億錠)に匹敵する数が出ています。しかし薬価が低いクスリが多いため、上位100品目の総額は1226億円と、高脂血症治療薬の3分の1に過ぎません。

 売り上げトップはファイザーのセレコックス錠100㎎で、424億円でした。セレコックスは2007年に発売された、比較的若いクスリです。そのため薬価が高く(69円/錠)設定されているのです。同じセレコックスの200㎎錠は106円/錠で、解熱鎮痛消炎剤のなかでは最も高価なクスリです。合わせて454億円の売り上げを立てています。

 2位のトラムセット配合錠は、トラマドールと呼ばれる麻薬の一種と、解熱鎮痛作用のあるアセトアミノフェンを配合したクスリ。トラマドールはモルヒネよりも弱い麻薬で、副作用も少なく、軽度のがん疼痛の緩和に使われています。しかしトラムセット配合錠は、他の鎮痛剤が効きにくい「非がん性慢性疼痛」の治療に用いるものとされています。薬価は70円/錠で、4番目に高価なクスリです。

 3位のノイロトロピン錠は1976年発売の古いクスリ。ウサギにある種のウイルスを感染させ、その皮膚から抽出した液体を加工して作られます。特許はとっくに切れているはずですが、製造が難しいためか、どこもジェネリックを発売していません。しかし副作用が少なく、腰痛や五十肩に効くほか、帯状疱疹の痛みにも効果があるため、根強い人気を保っているのです。薬価は32円/錠です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・大山悠輔「5年20億円」超破格厚遇が招く不幸…これで活躍できなきゃ孤立無援の崖っぷち

  2. 2

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  3. 3

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  4. 4

    W杯最終予選で「一強」状態 森保ジャパン1月アジア杯ベスト8敗退からナニが変わったのか?

  5. 5

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  1. 6

    指が変形する「へバーデン結節」は最新治療で進行を食い止める

  2. 7

    ジョン・レノン(5)ジョンを意識した出で立ちで沢田研二を取材すると「どっちが芸能人?」と会員限定記事

  3. 8

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 9

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  5. 10

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も