著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

昼間に負ったやけどは60%早く治る

公開日: 更新日:

 夜勤の仕事などが続くと、体調を崩すのはなぜでしょうか? 

 人間の体には「体内時計」という時計があって、昼に起きて夜寝ると調子が良いように出来ているからです。脳の視交叉上核という部分にその大本の時計があって、そこから全身の細胞に、神経やホルモンを利用して信号が伝わっています。一つ一つの細胞にも時計があって、細胞自体が昼や夜のリズムを持っているのです。

 昼や夜をどのようにして感じ取っているかというと、太陽などの光を浴びることで、その時間が昼であることを理解しています。そのために、昼と夜が逆転したような生活をしていると、体内時計が狂ってしまって、不眠などの体調不良が起こるのです。 さて、体に傷を負った時に、それを治す働きを持つ線維芽細胞という細胞がありますが、その細胞も体内時計を持っています。

 今年の「サイエンス・トランスレイショナル・メディシン」という一流の医学誌に発表された論文によると、傷を治す時の体の反応には昼と夜の違いがあって、昼の方が傷を治す作業が早く進むことが報告されています。

 救急センターで、重症のやけどをした時間と、治るまでの時間を調査したデータによると、昼と比べて、夜にやけどをすると、治るまでの時間は60%も長くなったそうです。ケガをする時間は選べませんが、昼間のケガややけどの方が、早く治ることは事実のようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  2. 2

    「備蓄米ブーム」が完全終了…“進次郎効果”も消滅で、店頭では大量の在庫のお寒い現状

  3. 3

    阿部巨人が今オフFA補強で狙うは…“複数年蹴った”中日・柳裕也と、あのオンカジ選手

  4. 4

    さや氏の過去と素顔が次々と…音楽家の夫、同志の女優、参政党シンボルの“裏の顔”

  5. 5

    ドジャース大谷翔平「絶対的な発言力」でMLB球宴どころかオリンピックまで変える勢い

  1. 6

    参政党のあきれるデタラメのゴマカシ連発…本名公表のさや氏も改憲草案ではアウトだった

  2. 7

    参政党「参院選14議席」の衝撃…無関心、自民、れいわから流れた“740万票”のカラクリ

  3. 8

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  4. 9

    参政党・神谷宗幣代表「日本人ファースト」どこへ? “小麦忌避”のはずが政治資金でイタリア料理三昧

  5. 10

    ドジャースに激震!大谷翔平の“尻拭い役”まさかの離脱…救援陣の大穴はどれだけ打っても埋まらず