著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

血糖値は冬に上がる 北半球の調査では12~3月に上昇

公開日: 更新日:

 厚生労働省が実施した「2016年国民健康・栄養調査」によれば、糖尿病の人口は1000万人を超え、正常より血糖が高い人も合わせると、2000万人を超えると推計されています。糖尿病はまさに国民病で、その増加は深刻な問題です。

 さて、糖尿病の診断には血糖値と共に、HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)という検査を行います。この数値は前2カ月くらいの血糖が高いほど上昇するのですが、季節により変動することが知られています。寒い時季には上昇し、暖かい時季には下がるのです。

 日本を含む北半球での調査では、12月から3月くらいの時季に最も高くなっていて、南半球のオーストラリアでは、5月から9月くらいの時季に高くなっています。要するに、気温が下がると血糖は上がっているのです。糖尿病の患者さんでは、冬場は薬が増えることが多いようです。これは一体なぜでしょうか? 

 寒い時季はあまり運動をしませんし、家でゴロゴロしている時間が長くなるので、そうした生活の変化が、影響をしているのかも知れません。

 寒いとストレスホルモンが上がるので、それが血糖を上げるのではないか、という説もありますが、証明はされていないようです。

 もちろん生活改善は一年中する必要があるのですが、血糖を気にされている方や糖尿病の疑いのある方は、健康診断は夏の時季に受けた方が良い結果が出るかも知れません。

【連載】医者も知らない医学の新常識

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因