中咽頭がん<4>「母親に笑顔が戻ったことがうれしかった」

公開日: 更新日:

■東京マラソン3年目で初完走

 三枝さんは、「私ががんを告知されたとき、会社の朝礼で社員にがんであることを話しました。問題は、入院治療中に留守にする4000件からの取引相手と、金融機関の反応です。幸い『役員を連れて説明に伺います』と、皆さんが温かく励ましてくれた。感激しました」と語る。

 社会復帰後、まず体力を回復しながら、体重15キロ減(がん告知当時は74キロ)を元に戻そうと、1日に2~3キロ歩き続けた。

 病院で精密検査を受け、「がん再発の兆候がありません」との診断結果に自信を持ち、2012年2月には「東京マラソン」に参加した。翌年、翌々年とその後も参加。14年には42・195キロのコースを6時間35分で完走する。

「社員たちも喜んでくれまして、なによりもがんを告知されて以来、沈みがちだった母親に、ようやく笑顔が戻ったことがうれしかったですね」

 10年に末期がんを告知されて7年。生きる目標年にした「5年生存」を通り越し、今年で1年が経過した。

 担当医から「もう声が出ないかもしれません」と予告され、折れそうになった心を立て直して難度ながん治療と闘ってきた三枝さんは、あらためてこう語る。

「末期を告知されても、絶対に諦めてはいけません。そして目標を持つことです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束