著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

薬で「しゃっくり」が止まらなくなった…どうする?

公開日: 更新日:

「しゃっくり百万べん」という絵本をご存じの方もいるかと思います。「しゃっくりを百万遍すると死ぬよ」ということで物語が展開します。本当にしゃっくりを百万遍すると死んでしまうのでしょうか? 医療者としては気になるところですが、その前に、どうにかして止めようとするでしょう。

 例えば、漢方の「芍薬甘草湯」や、「コントミン」(クロルプロマジン)という薬を用いたりすることもあれば、咽頭マッサージをする場合もあります。「柿蔕」という生薬が効くともいわれますが、実際に使っているのを見たことがないので、なんともいえません。

 しゃっくりが、薬の副作用として起こるケースがあります。しゃっくりは「吃逆」と呼ばれます。全身麻酔薬などの副作用として起こることが知られていますし、身近な薬では抗生剤やステロイド内服薬で表れるケースもあります。

 また、しゃっくりを誘発する代表的な薬として抗がん剤の「シスプラチン」が挙げられます。シスプラチンは白金製剤に分類される薬で、婦人科がんや肺がん、肉腫など幅広くさまざまながんに用いられます。さすがにがんの場合は治療が優先されますので、しゃっくりの副作用が出るから抗がん剤治療をやめるということはありません。ただ、しゃっくりが長引けば、患者さんは息苦しくもなりますし、治療や病気に加えて、さらにつらさが増してしまいます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」