著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

「音程」がきっちり半音だけ下がる副作用がある

公開日: 更新日:

 以前、「薬剤性難聴」という副作用について取り上げました。副作用は可逆的で薬をやめたら治る(元に戻る)ものが多いのですが、それでも治らない不可逆性難聴という重篤な副作用が起こるケースを紹介しました。

 同じ聴覚に関係する副作用として、難聴ではなく「聴覚異常」というものがあります。聴覚異常にはさまざまな“異常”が含まれていて、難聴(聴力低下)も広義では該当しますし、他には耳鳴りや聴覚過敏などが挙げられます。そして「音程の変化」もそうした異常に含まれます。

 薬の副作用による音程の変化は、「テグレトール」(成分名=カルバマゼピン)という薬で報告されています。テグレトールは、てんかんのけいれん発作を抑えたり、躁状態の興奮を抑えたり、三叉神経痛の痛みを抑えたりする目的で用いられる薬です。

 この薬の副作用として報告されている音程の変化は、「音が実際より低く聴こえてしまう」というものです。音楽家ら普段から音楽に接する機会が多い人であれば、すぐに変化に気づくかもしれませんが、そうした機会が少ない人は、気づきにくい副作用といえるでしょう。

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