骨格筋の新医学を切り開く 世界で初めて検出法を確立

公開日: 更新日:

 そして、藤井教授らがマイオカインの研究を始めたのが2008年。4年後には世界で初めて、筋肉のみから分泌される純粋なマイオカインの検出法を確立した。

「これまで約30種ものマイオカインが報告されていますが、中には検出法が曖昧で議論の余地のあるものも含まれます。私たちは間違いなくマイオカインに運動健康効果があると考えていて、いいかげんな科学分野にしたくないので、慎重に研究を進めています」

 確立した検出法とは、筋肉細胞を培養して再合成した「培養細胞」を使った筋収縮モデル。これに電気刺激を与え収縮させることでマイオカインを分泌させ、その物資が何かを、ごく微量の物質でも同定できる質量分析法で検出する。この検出法を用いて、藤井教授らがこれまで特定したマイオカインは10種類以上になるという。

「マイオカインが特定できたら、次は作用や分泌機序を調べなくてはいけません。その研究には、遺伝子操作したショウジョウバエやマウスを使っています。マイオカインと他の臓器から分泌されるホルモンには同じ物質もあるのですが、それぞれ違う働きをしていると考えています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち

  4. 4

    YouTuber「はらぺこツインズ」は"即入院"に"激変"のギャル曽根…大食いタレントの健康被害と需要

  5. 5

    クマと遭遇しない安全な紅葉スポットはどこにある? 人気の観光イベントも続々中止

  1. 6

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲

  4. 9

    「渡鬼」降板、病魔と闘った山岡久乃

  5. 10

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が