救命救急専門医が語る 熱中症リスクの高い人とその対処法

公開日: 更新日:

 正しくは、部屋の中に温度計と湿度計を持ち込み、健康な人なら自分が心地良い室温と湿度に設定する。喉が渇いた自覚の乏しい高齢者は室温を常に30度以下になるよう、エアコンの設定を小まめに変えることだ。

「水を飲んでいたのに熱中症になった」という人も勘違いが多い。朝、昼、晩に1杯ずつしか水を飲んでいないのに「水を飲んでいた」と訴える人もいる。

 しかし、本来は汗をかいた分だけ給水が必要で、食事以外で1日2リットル程度が必要とされる。

 特に高齢者は体の水分の割合が、赤ん坊が70~80%、大人60%に対して50%と低い。しかも、あまり体を動かさないからお腹が減らない。だから本来は食事から取るべき水分が不足する上、低栄養で体に必要な電解質が不足しがちだ。

 さらに、夜間頻尿を避けるためという理由で自ら飲食を控えてしまうことが多い。その結果、熱中症が重症化することが多いのだという。

 水を小まめに飲む、就寝時を含めエアコンをつけっぱなしにする、風通しの良い服装にする、子供に無理な運動はさせないなどの注意点はあるが、最大の熱中症の予防策は「社会的つながりの薄い人を極力減らすこと」だ。熱中症が社会的な病気の側面があることを忘れてはいけない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性