同じ環境で育った双子でも大半は同じ病気にならない

公開日: 更新日:

「親もハゲているから、自分の髪が薄いのも仕方がない」「太るのは、親が太っているせい」――。

 人は自分に不都合なことを遺伝のせいにしがちだ。遺伝とは、親から受け継いだ形質(姿、形、性質)のこと。人の形質や病気は奴隷のように遺伝子に支配され、そこから逃れることはできないのだろうか?

「日本人の遺伝子」(KADOKAWA)の著者で、国際医療福祉大学病院内科学の一石英一郎教授が言う。

「そんなことはありません。親から子へ形質を伝える遺伝物質である遺伝子は、生まれついた『運命』ではなく、生まれたあとの『環境』によっても大きく変化します。ヒトを構成する37兆個の細胞一つ一つの核のなかに設計図となるDNAが入っています。それが読み取られ、さまざまなものがつくられるのですが、環境によってそこからつくられるものは変化します。これをエピジェネティクスと言います」

 それは双子を見るとわかりやすい。双子はDNAと遺伝子を共有し、子供の間はほぼ同じ環境で育つのに、大半は同じ病気にかからない。死ぬ時期もバラバラだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」