来春は今年の3倍! 花粉症対策で注目「免疫療法」最新事情

公開日: 更新日:

 気象情報会社「ウェザーニューズ」(千葉市)は来年2019年のスギ、ヒノキの花粉飛散傾向を予測し、最大で今年の約3倍となることを1日に発表した。今夏が記録的な猛暑で、花粉を飛ばす雄花がよく育つ環境になっていたことが理由だという。ここでチェックしておきたいのが、最新の花粉症対策だ。

 これまでの治療は内服薬や点鼻薬でアレルギー症状を抑える「対症療法」が中心だが、今年注目の治療法は、アレルギーの原因になる花粉を自ら服用し、体を慣らすことで症状が出ないようにする「免疫療法」だ。

 鳥居薬品(東京・中央区)が今年の6月に発売したスギ花粉舌下錠「シダキュア」は錠剤になっており、舌下に1分間置いて飲み込むだけで、花粉を体内に取り入れることができる。これにより免疫の性質を変化させ、アレルギー反応を抑制することができるという。ただ難点は、効果が表れるまでに時間がかかることだ。花粉のピークとなる来年の3月に間に合わせるには、遅くとも今月中に治療を始め、毎日服用する必要がある。

「毎日薬を服用することに不安がある」「忙しくて病院に通えない」という人にオススメなのが、農研機構で現在開発中の「花粉米」だ。遺伝子組み換えによって、スギ花粉のタンパク質を米に蓄積させ、これを食べることでアレルギー反応を抑えるというもの。まだ実用化されていないが、すでにマウスとサルでアレルギー反応が抑制される効果を確認し、臨床試験に移っている段階だという。どうやら、いかに効率的に花粉を摂取してアレルギー反応を抑制できるかが、今後の花粉対策のポイントのようだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  4. 4

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  5. 5

    timelesz篠塚大輝“炎上”より深刻な佐藤勝利の豹変…《ケンティとマリウス戻ってきて》とファン懇願

  1. 6

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  2. 7

    国民民主党“激ヤバ”女性議員ついに書類送検! 野党支持率でトップ返り咲きも玉木代表は苦悶

  3. 8

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  4. 9

    波瑠のゴールインだけじゃない? 年末年始スクープもしくは結婚発表が予想される大注目ビッグカップル7組総ざらい!

  5. 10

    アヤックス冨安健洋はJISSでのリハビリが奏功 「ガラスの下半身」返上し目指すはW杯優勝